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日本の翼JAL。航空機による大気観測で分かった 意外な事実とは?

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「森林火災通報プロジェクト」というのは、どのような取り組みなのですか。

「森林火災通報プロジェクト」は、2003年からスタートしました。このプロジェクトで意味する森林火災は、主にはロシアのシベリア地方に広がるタイガ(針葉樹林帯)で自然発生する非常に大規模な火災のことです。

このプロジェクトをスタートしたきっかけとして、地球規模でCO2排出量を見た場合に、森林火災による割合が非常に大きいことが挙げられます。多く見積もれば、人間が生産活動や日常生活で排出するCO2の約6割に当たるほどの量が、森林火災により大気に放出されていると言われています。

人間の生産活動や日常生活により排出するCO2を削減するのは、技術的にも金銭的にも、さらには時間的にも大変ですが、森林火災は発生や延焼を防ぐことでCO2を排出せずに済みます。

現在、森林火災を人工衛星によって検知して、早期に消化活動に結び付けようとする研究・開発を、JAXA(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)や北海道大学が進めています。人工衛星といっても、現在はすぐにピンポイントで火災を検知することができるわけではありません。

そこで、当社の飛行機がフライト中に森林火災を発見した場合には、パイロットが時間や場所などとともに情報を社内の担当部を通して研究機関に提供します。その火災情報と人工衛星の画像について、研究者の方が比較や照合をして、人工衛星による火災検知精度の向上を目指しています。

将来的には人工衛星により森林火災を確実に検知し、現地の消火活動に結び付けることを目指しています。シベリア地域だけでなく、オーストラリアや東南アジアのカリマンタン島(ボルネオ島)、アラスカも森林火災が多く発生する場所で、これらの場所も当社の飛行機による火災通報の対象エリアにしています。


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