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WWFのマークはなぜパンダ?‐WWF発足のきっかけ

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WWFジャパン

今回の「エコなニュース」は、ジャイアントパンダのマークでおなじみの環境保全団体WWFジャパン様の取り組みをご紹介します。

WWFジャパン様では、「地球温暖化の目撃者(Climate Witness)」やサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」、「トラに願いを」など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

広報担当 三間様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

WWF発足のきっかけについてお聞かせください。

WWF(World Wide Fund for Nature/世界自然保護基金)は、1961年9月11日にスイスで発足しました。

きっかけになったのは、アフリカの野生動物の現状だったそうです。当時アフリカでは、野生生物がハンティングによって乱獲され、狩猟の規制といった保護が全くなされていない状況でした。そのことに非常に危機感を覚えた一部の人たちが、団体を設立して保護活動をしてはどうだろうかということで始まったのが、WWF発足のきっかけだといわれています。

WWFのマークは、なぜパンダなのですか。

WWFの設立の一翼を担ったのは、イギリスの人たちでした。その設立者の一人のピーター・スコット卿という人物が、たまたまロンドン動物園に中国から来ていたジャイアントパンダを見て、WWFのマークに採用したという経緯があります。

 WWFのマーク

ピーター・スコット卿は当時、WWFのマークとして、言葉の壁を越えられるような、分かりやすいシンボルが必要だと感じていたようです。魅力のあるジャイアントパンダの姿がシンボルとして適しているのではないかと考え、WWFのマークとして選ばれました。

設立当初の1960年代から70年代にかけて、WWFは世界中で絶滅しそうな野生生物を保護するために調査活動を行ったり、支援金を集める活動を展開したりしました。しかし、その後、必然的に「野生生物を保護するためには、生息環境である自然そのものを広く守らなくてはならない」ということになってきました。

1980年代になると、熱帯雨林の保全活動などにも積極的に取り組みましたが、これは、単なる動物保護から、森林などの環境保全に活動が広がってきた一面を物語っています。

1988年には、WWFは「世界野生生物基金」から「世界自然保護基金」に名称を変更しました。現在に続く、WWFという環境保全団体としての道のりは、ここから始まったといえるかもしれません。

そして、1990年代になると、地球環境の保全という観点から、温暖化の防止活動などにも取り組むようになりました。これらは現在では、WWFの代表的な活動の一つの柱になっています。

WWFジャパン発足のきっかけについてお聞かせください。

WWFの発足後、ヨーロッパのほかの国々でもWWFの事務局が誕生して、それらが連携する形で世界中にネットワークを構築していきました。

そして1971年9月22日に、世界で16番目に設立されたWWFとして、東京で「世界野生生物基金日本委員会(※現在は「財団法人 世界自然保護基金ジャパン」に名称を変更)」、すなわちWWFジャパンが発足しました。

設立当初、WWFジャパンは上野動物園内に事務所を置いていました。ちなみに、1971年は7月には環境庁(※現在の環境省)が設立された年でもあり、国内でも環境行政に目が向けられ始めていた時期にも一致しています。

設立当時のWWFジャパン事務局


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