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WWFのマークはなぜパンダ?‐WWF発足のきっかけ

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今年(2010年)は国際生物多様性年ということもあり、生物多様性についてお聞かせください。

今年は国連が定めた、生物多様性の保全の力を世界に伝える年です。生物多様性とはあらゆる自然環境、この地球上の生態系の基盤となるものですから、国際生物多様性年を定めることで生物多様性の問題について認識を広げようという試みは、素晴らしいことだと思います。

日本国内では今のところ「生物多様性とは何だろう?」という疑問を持つ方がまだ多いと思いますし、認知度も十分高いとはいえないと思いますが、10月には名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)(※1)」が開催されますから(※2)、国内でどれだけ生物多様性に対する意識が高まるのかは気になります。

※1:COP=Conference of the Partiesの略。国際条約を締結した国が集まる会議(締約国会議)のことをいう。

※2:2010年8月時点での取材内容を基に原稿を作成。

もっとも、生物多様性とは環境にかかわるあらゆるキーワードやテーマが関係してくる言葉なので、それを保全するといっても、具体的には分からないのではないかと思います。

環境問題や社会貢献活動(CSR)に熱心に取り組んでいる企業も増えていますが、生物多様性という視点から行っているところは、まだ限られているように見受けられます。WWFとしても、生物多様性の保全というメッセージを正確に伝えるにはどのように絞り込むべきなのか、頭を悩ませているところです。

名古屋での「COP10」に関していえば、これだけの規模の国際会議が日本で開催されること自体が珍しいので、国際会議とはそもそもどのようなものなのか、会議内で決定された内容が各国の政治や経済、個人の日常生活にどうつながっていくのかについて、たくさんの人が関心を高めてくれる機会となればと思います。

国際会議での活動は、各国政府代表への働きかけ、つまりロビー活動が中心なので、あまり目立ったアクションはできないのですが、せっかくの機会なのでWWFジャパンとしてもこれをいい形で活用し、多くの方々に生物多様性というキーワードに関心を向けていただきたいと考えています。


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