宇宙航空研究開発機構JAXA :: 後編

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地球からの呼吸を感じる-「いぶき(GOSAT)」

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「だいち」についてお聞かせください。

陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」は、これまでにいくつか打ち上げてきた地球観測衛星のシリーズでも最新の衛星です。

人工衛星開発の変遷

「だいち」には現在、「AVNIR-2(アブニール・ツー)」「PRISM(プリズム)」「PALSAR(パルサー)」という名前の3つのセンサ(観測機器)がついています。陸域観測技術衛星という名前のとおり、3つのセンサは全て陸地を見るためのものです。「AVNIR-2(アブニール ツー)」というのは、10mの分解能(解像度)でカラー画像として認識できるセンサです。「PRISM(プリズム)」は画像としてはモノクロですが、2.5mの分解能で観測することができます。これら2つは、いわばデジタルカメラのような原理です。最後に「PALSAR(パルサー)」というのは自ら電波を発射して、地上から跳ね返ってきた反射波を観測するレーダです。こちらは最大で10mの分解能です。

陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」

この「PALSAR」の画像もモノクロですが、先ほどもいいましたように、地球の表面に自ら電波を当てて、その反射をキャッチすることで対象物との距離を測ります。例えば、山の頂上であれば電波は早く跳ね返ってくるのですが、山の麓はほんのわずかですが遅く跳ね返ってきます。その時間差を測ることによって、山の高さを調べることが可能なのです。レーダのいいところは、電波を発射して、その反射をキャッチするだけなので、太陽の光の影響は全く関係なく、夜間の観測が可能という点です。また、もし雲があったとしても、電波は雲を突き抜けて地上まで到達するので天候に左右されることなく観測ができます。「AVNIR-2」や「PRISM」などのデジタルカメラのようなセンサと、「PALSAR」のレーダはそれぞれ特長があるので、何を撮影するのか、いつ、どんな目的で撮影するのかによって、その都度使い分けを行っているのです。


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