ニチバン株式会社

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環境管理グループの誕生がきっかけ

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ニチバン株式会社

今回の「エコなニュース」は、「セロテープ®」でおなじみのニチバン株式会社様の取り組みをご紹介。

ニチバン株式会社様では、環境に配慮した商品の開発など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

  • 品質保証部・
    品質環境管理グループ
    総括マネジャー
    紀村様
  • 品質保証部・
    品質環境管理グループ
    小野様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

環境への取り組みを行うきっかけについてお聞かせください。

1999年(平成11年)に、現在の品質環境管理グループのベースになっている環境管理グループが誕生しました。そのころから社会的にも企業の環境問題が注目され始めており、弊社としても環境管理グループを設置し、企業として環境対策に取り組んでいく体制ができました。

全てのお客様に対して、弊社の取り組みを企業活動としてご報告する形でスタートしたのは、2003年度版の「環境報告書」からとなります。

2003年度版以降の「環境・社会報告書」の内容については、ホームページ上で公開しています。現在のように冊子として作り始めたのは、2005年度版の「環境・社会報告書」からです。また、2004年以降は、環境報告書から「環境・社会報告書」へと変更されています。

「環境・社会報告書」は、年々表紙の絵が成長していますね。

「環境・社会報告書」の作成をスタートしたときから、切り株から木へ、木から森林になり、緑が豊かになっていくという“成長”をコンセプトとしていました。2009年度版の表紙は2つの街が形成され、空には鳥が飛んでおり、自然の豊かさをイメージしたものとなっています。

「環境・社会報告書」の表紙は、今後どのように成長していくのですか。

ここでコンセプトを切り替えるか、今後も続けていくのかは、私たちとしても悩んでいるところですね(笑)。

「環境・社会報告書」の表紙の変遷

社内的な環境への取り組みの方針のようなものはあるのですか。

全社的な方針は、エコプロダクツのときに弊社のブースの看板に掲げさせていただいた、“ニチバンは人と物および地球環境にやさしい技術を通して、製品の全ライフサイクルにわたり安全と健康と環境面の配慮に努める。”ということです。

“人と物および地球環境にやさしい技術”というのは、メーカーとして当然考えていきたい内容です。“全ライフサイクルにわたり”とは、単によい製品を作ればいいというわけではなく、原材料の調達から製品の廃棄まで、安全と健康と環境について、トータルで考えるということを意味しています。

社内的な目標のようなものはありますか。

目標としては大きく3つの項目に分かれており、「安全・安心で、環境に配慮した製品の提供」「地球温暖化対策への寄与」「化学物質管理の強化と環境負荷低減策の実行」があります。

1点目の「安全・安心で、環境に配慮した製品の提供」について、弊社はメーカーということもあり、環境のことを考えた(環境に貢献できる)製品を作るという意識が必要だと考えています。環境に配慮した製品を、多くのお客様へお届けすることも重要です。

2点目の「地球温暖化対策への寄与」について、弊社も、環境管理システムとしてグループ全体でISO14001を取得しています。このように、管理体制の整った仕組みのなかで製品を作り、環境について配慮をしていきたいと考えています。

身近なところでは、省エネ活動が当てはまります。できることは限られていますが、エアコンの設定温度の調節や、使用していないPCのモニター電源オフというように、まずは個人でもできることから取り組みを拡げています。ただし、工場の場合は設備規模が大きくなるため、設備面や廃棄物などが影響します。

製造工程で無駄をなくし、廃棄物を削減するということも、非常に大事なことです。1個あたりの包装材料をわずかに縮小するだけでも大きな削減につながります。また、弊社にとっては廃棄物であっても、他業種の方にとっては有価物となる場合があるので、そのような可能性があれば活用する方向で対応を進めています。このように、資源の有効利用や廃棄物の削減に取り組んでいるのです。

最後に、「化学物質管理の強化と環境負荷低減策の実行」についてですが、基本的に弊社のグリーン調達基準に則した形で、原材料の調達時に製品安全データシート(MSDS=Material Safety Data Sheet)を確実に受け取り、弊社での使用禁止物質が含まれていないかなど、十分に確認した上で原材料を調達する仕組みで運用しています。

また、弊社では溶剤も使用しておりますので、VOC(揮発性有機化合物/Volatile Organic Compounds)規制完全対応に向け、埼玉工場ではホットメルト塗工方式や溶剤回収装置、燃焼装置を導入し、環境問題を意識した取り組みを積極的に進めています。


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