東京地下鉄株式会社

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東京地下鉄株式会社

「環境配慮型車両」というものが導入されているそうですが、それは、どのような特徴のある車両なのですか。

具体的な特徴として、省エネルギーと高性能化を目的とした「VVVFインバータ制御装置」の導入が挙げられます。

車体に制御装置が搭載されており、装置内では半導体素子が使われています。半導体素子を高速に入り切りして、回転数に応じて最適な電圧や周波数をつくり出しているのです。これが「VVVFインバータ制御装置」ですが、この装置を導入することで運転に必要な電気だけを取り込むことができるようになり、電気を無駄なく利用することができます。この装置は、最初に1991年に南北線の9000系の車両に搭載し、それ以降の車両は標準搭載となっています。

南北線9000系車両

もうひとつの「環境配慮型車両」の特徴として、「電力回生ブレーキ」が挙げられます。「電力回生ブレーキ」とは、車両がブレーキをかけた際に内蔵のモータが発電機の役割をして、当該車両の近くを走っている電車に発電された電気を送る仕組みです。ハイブリッドカーをイメージすると分かりやすいかもしれません。ハイブリッドカーでもブレーキをかけると発電する仕組みが搭載されていますが、その電気を近くの電車に融通するというような考え方です。

「電力回生ブレーキ」の仕組み

当社の地下鉄を頻繁にご利用の方はご存じかもしれませんが、3分から5分ほどの間隔で電車が動いています。回生ブレーキにより発電する車両の近くを走る電車が、その電気を効率的に消費するというわけです。特に、南北線では電車だけでなく、駅舎にも電気を分け与える仕組みを構築しています。こちらも20年以上前から導入しており、当社では標準的な技術となっています。導入当初はハイブリッドカーもなかったので、画期的な技術だったと言えるでしょう。

千代田線を走っている6000系車両(※1971年に運行開始)以降のすべての車両において、「電力回生ブレーキ」の技術を導入しています。

千代田線6000系車両

地下鉄は特に他の鉄道と比較しても、電力面において大きく3つの特徴があります。

「3つの特徴」とは、どのようなものですか。

地下鉄と地上を走る電車を比較した場合、その運行における違いを考えると分かりやすいかと思います。

まず1つ目の「地下を走っている」という点を多くの方が挙げられるかと思います。地上の駅舎よりも電力使用量が多いことは容易にイメージできるでしょう。また、ホームから地上までのエレベーターなどのバリアフリーの設備も増えています。

2つ目は、地上を走る電車と比べて、地下鉄は「駅と駅の間が短い」という点です。例えば、銀座線三越前駅と日本橋駅間は、600mほどの距離です。同じく、銀座線上野駅と上野広小路駅間も短い距離です。

3つ目は、「カーブが多い」という点です。地上を走る電車の路線は直線の区間が多いので、ある程度スピードを出すことが可能です。しかし、地下鉄の場合は大部分の路線が道路の下を通っているのでカーブが多いのです。例えば、日比谷線六本木駅と広尾駅間の場合、飯倉周辺でカーブがとても多くなります。

駅間の距離が短くカーブが多いということは、それだけブレーキをかける頻度が高くなるわけです。つまり、フルスロットルの状態からすぐにブレーキをかけなければならず、その分エネルギーをたくさん消費します。しかも、乗車しているお客様が多ければ、それだけさらにエネルギーが必要です。

このような条件下にあるため、多くの電力を消費しているわけですが、それを何とか減らす努力をしなければなりません。そこで、省エネルギー技術や環境配慮型車両、新たな駅舎の設備の導入や実験といった取り組みを進めています。

昔の抵抗制御装置は、抵抗器からの発熱が大きかったため、ホームに地下鉄の電車が入ってくるときに、トンネル内から熱風が吹いてきたものです。当時は、地下鉄の電車に乗ると暑いと感じる方も多かったのではないでしょうか。「VVVFインバータ制御装置」などの導入により、現在ではそのようなことはありません。車両に対する環境への取り組みは、お客様に不快な思いをさせないという理由もあったのかもしれません。

技術面における省エネルギー化や、サービスの改善を図るというのが、当社において避けられない課題であったため、どうしたらお客様に満足してもらえるかを考えた結果が、現在の取り組みにつながっていると言えます。

2013年3月末時点で、省エネルギーに配慮している車両は2,710両(※全2,719両中)であり、全体の99.7%を占めています。また、そのなかで「VVVFインバータ制御装置」を搭載した環境配慮型車両は2,182両(80.3%)となっています。

省エネルギーに配慮した車両の推移

省エネルギー車両や環境配慮型車両の導入によって、どれくらいの効果が得られたのですか。

従来型の車両である、抵抗制御車両の日比谷線3000系(1961年~1994年)が走行時に100%の電力を消費したと考えた場合、最新の環境配慮型車両である千代田線16000系では39%しか消費しないというように、大幅な省エネルギー化が図られています。つまり、従来の4割ほどの電力で走行に必要なモータを動かすことができるというわけです。

車両の走行用消費電力量の比較

また、前述の「電力回生ブレーキ」の技術を導入した先駆けの千代田線6000系であれば64%、「VVVFインバータ制御装置」を搭載した環境配慮型車両の先駆けである南北線9000系では45%となっています。車両の更新の都度、車体の軽量化や半導体の技術改良が進み、さらなる省エネルギー化を図ることができるでしょう。

千代田線16000系や銀座線1000系などでは、2010年度から「永久磁石同期モータ(PMSM/Permanent Magnet Synchronous Motor)」を採用しており、エネルギー使用効率の向上を図っています。

永久磁石同期モータ(PMSM)

これは、回転子に永久磁石を採用しており、外側の電磁石と引き合って回転する仕組みとなっています。発熱が抑えられるというメリットもあるので、モータの密閉構造化が実現可能になり、低騒音化やメンテナンスの軽減にもつながっています。

車体の軽量化というお話がありましたが、具体的にどのようなことを行っているのですか。

1971年に、千代田線6000系では、軽量化のためにアルミニウム合金製の車体を採用しました。これは、現在の車両でも引き続き採用しています。アルミニウムで造られた車体はステンレスなどの車体より軽いため、より少ないエネルギーで走行することができます。また、リサイクルしやすいように、車体に使用するアルミニウム合金の単一合金化も進めています。


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