株式会社東芝

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2050年のあるべき姿を実現するために

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株式会社東芝

「ecoスタイル」というブランドがありますが、そちらについてお聞かせください。

「ecoスタイル」は、東芝グループの姿勢を広く訴求するために定めたグローバル統一ブランドです。

“「ecoスタイル」のロゴマーク

「ecoスタイル」のロゴマークにより “東芝では環境に配慮した製品を生み出しています”ということを多くの方に知ってもらいたいと考えています。ロゴマークで採用されている3つの輪の形には、前述の「Green of Process」「Green of Product」「Green by Technology」の意味が込められています。

具体的な環境配慮製品には、どのようなものがあるのですか。

さまざまな視点から環境に配慮した製品を開発しているのですが、当社ではそれを「ECP(環境調和型製品/Environmentally Conscious Products)」と呼んでいます。

基本的に、東芝グループで製造している製品は、すべて環境に配慮されたものです。企画や設計の段階において環境への配慮が不十分なものは、製品化されることはありません。

東芝グループでは、製品における環境性能を徹底的に追求しており、開発される全製品で環境性能No.1を目指しています。そのなかでも、発売時(あるいは公表時)において業界トップの環境性能を有する製品であると社内で認定したものは「エクセレントECP」と呼んでいます。

2010年度では16製品のエクセレントECPを認定しており、そのひとつに超音波診断システム「AplioTM MX」があります。「AplioTM MX」は、第7回エコプロダクツ大賞(エコプロダクツ部門)でエコプロダクツ大賞推進協議会会長賞(優秀賞)を受賞しています。環境配慮設計を採用した医療機器の先駆的事例で、ライフサイクルにわたる総合的な環境配慮がなされているなどの点が評価されました。

二次電池「SCiBTM」も、エクセレントECPに認定されています。「SCiBTM」は従来の充電池と使用時間は変わらないのですが、充放電6,000回以上という長寿命で、約5分の急速充電が可能です。寿命が長いため電池の交換回数が減り、廃棄物削減に貢献できます。この製品は、三菱自動車工業株式会社の新世代電気自動車「i-MiEV「M」」と「MINICAB-MiEV」に搭載されています。

ノートPC「dynabook」シリーズもエクセレントECPに認定されており、製品ラインアップを通じた環境配慮設計の常態化や環境訴求が高く評価され、第7回LCA日本フォーラム表彰においてLCA日本フォーラム会長賞を受賞しました。

ほかにも、液晶テレビや家庭用エアコン、洗濯乾燥機などもエクセレントECPに認定されています。

ECPとエクセレントECPには「価値ファクター」と「環境影響低減ファクター」の掛け算により算出される、前述のファクター(環境効率)が表示されています。価値ファクターは分子に該当する環境価値、つまり製品の価値や環境性能を示すものであり、比較対象となる基準製品に対して環境性能が何倍に向上したのかを表します。環境影響低減ファクターは、製造段階で基準製品に対して環境負荷を何分の1に削減できたのかを表します。

ノートPCの場合、2000年に発売された「dynabook 2650」を基準とすると、2011年に発売された「dynabook R731」のファクターは、3.35(価値ファクター)×1.78(環境影響低減ファクター)の計算により5.95となります。

【東芝グループの「エクセレントECP」】

ピークシフト機能を有する製品もありますが、これはどのような機能なのですか。

東日本大震災の影響による昨年(2011年)夏季の電力不足問題により、節電が注目されたことは記憶に新しいと思います。そのようななかで登場したのが、ピークシフト機能を有する製品です。テレビだけでなく、ラップトップPC(ノートPC)にもこの機能が搭載されています。

ピークシフトとは、事前に設定することにより、日中などの電力使用量が高まる時間帯に、ACアダプターからバッテリーの電源に切り替える機能のことです。

一般に、テレビはコンセントにつないで番組を見るわけですが、ピークシフト機能を有するテレビの場合は、リモコンのピークシフトボタンを押すことにより、充電済みのバッテリーに切り替えて視聴することができるのです。バッテリーパックへの充電は電力供給に余裕があり、テレビを見ない夜中に行います。

1日(24時間)の消費電力は変わらないのですが、電力使用量がピークとなる時間帯をずらすことにより、電力負荷の平準化を図ることが可能というわけです。このように、“使用量の最も多い昼間の消費電力(Peak)の一部”を、“夜間に移行(Shift)させる”ので、ピークシフトというわけです。

1日の消費電力量は変わらないものの、電力使用量が最大となる時間帯をバッテリー駆動にして、電力負荷を分散させることができるというイメージを持っていただくと分かりやすいのではないでしょうか。バッテリーにより、約5時間の充電で3時間ほど番組を視聴することが可能です。

【ピークシフトテレビをはじめとする節電への対応】


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