日産自動車株式会社

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環境問題への終わりなき挑戦-「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」

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日産自動車株式会社

“LEAF to Home”は、TVCMなどで話題になっていましたね。どのような技術なのですか。

「日産リーフ」に容量24Kwh(キロワットアワー)の電池を搭載していますが、“LEAF to Home”はそれを蓄電池(バックアップ用電源)として活用するシステムで、クルマから家に電気を供給することが可能です。

また、ピーク時の電力需要緩和にも貢献します、夜間に「日産リーフ」に充電し、ためた電力を需要の高まる昼間に家庭用の電源として活用すれば、電力消費のピークシフトへの貢献ができるわけです。

“LEAF to Home”

※ニチコン株式会社製の「EVパワーステーション」を一般住宅の分電盤に直接接続し、コネクターを「日産リーフ」の急速充電ポートにつなぐことで、「日産リーフ」搭載の駆動用大容量リチウムイオンバッテリーに蓄えた電気を住宅に供給することが可能となります。

東日本大震災以降、家庭用の蓄電池はとても注目されていますが、その価格はKwh当たり50万円ほどとなるのが一般的です。そのため、通常であれば24Kwhの蓄電池の値段は1千万円以上にもなる高価なものなのです。

しかし、「日産リーフ」は国の補助金(※最大78万円)を受給できればおよそ220万円から購入することができます。そのため、移動できるタイヤがついた24Kwhの蓄電池を格安で買えるというわけです。もちろん、クルマ自体としても優れた機能を有することは言うまでもありません。止まっていても新しい価値を生み出すクルマ、それが「日産リーフ」なのです。

※クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金。

“LEAF to Home”は、集合住宅にも導入することが可能なのですか。

従来は一戸建てを対象としていましたが、最近では、マンションやオフィスでも“LEAF to Home”の導入を進めています。

神奈川県横浜市の「パークホームズ大倉山」では、「日産リーフ」をカーシェアリングで活用しています。近年、ちょっとした用事にだけクルマを使いたいという方も増えており、そういうケースではカーシェアリングは便利な仕組みなのです。そして、いざ災害が発生したときには、「日産リーフ」から“LEAF to Home”を介して電力供給し、非常用電源として活用します。

社会的に、原子力発電が注目されています。仮に発電所の出力を100万kwくらいとして、もしも全世界の1割の人が「日産リーフ」を使ってピーク時に電力供給量を下げることができれば、4基分の原子力発電が不要になると試算されています(450万kw相当)。あくまでも試算ですが、これにより電気自動車は移動手段としてだけではなく、蓄電池として活用してもメリットを得られるということがお分かりになると思います。しかも、社会全体でそのメリットを享受することが可能となるのです。このように電気自動車は、さまざまなデバイスとして使うことができるというポテンシャルを有しているのです。

確か、“LEAF to Home”は住宅メーカーさんと一緒に取り組んでいましたよね。

最初は、積水ハウス株式会社さんと一緒に取り組んでおり、デモンストレーションなどを実施していました。

また、東京都江東区にある三井不動産レジデンシャル株式会社さんの「パークタワー東雲」というマンションでも、「日産リーフ」に搭載している蓄電池を活用した実証実験を行っています。

マンション用の定置型電池は、一定期間が経過すると更新(交換)しなければなりません。しかし、「日産リーフ」に搭載していた蓄電池をリユースすることにより、更新コストの低減と蓄電池の有効活用、さらには環境負荷の低減に貢献することができるわけです。


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