日本電気株式会社(NEC)

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「NEC環境経営」による持続可能な社会の実現-“IT、で、エコ”

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日本電気株式会社(NEC)

今回の「エコなニュース」は、「VALUESTAR」や「LaVie」などのパソコンや瞬撮ケータイでおなじみ、日本電気株式会社(NEC)様の取り組みをご紹介。

日本電気株式会社(NEC)様では、“IT、で、エコ”をコンセプトに、ITソリューションの提供を通じたお客様・社会のCO2排出削減をはじめ、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

環境推進部長 斎田様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

環境への取り組みを始めたきっかけについてお聞かせください。

NECは国内の企業としては、環境への取り組みは比較的に早いほうではないかと思います。1970年代から環境の専門部署を設置し、活動を開始しております。

なぜこれほど早い時期から取り組みを始めたのかというと、当時社長であった小林宏治(※のちの名誉会長・相談役/「C&C(Computer&Communication)」の理念を提唱したことでも知られる)が米国に出張した際、公害問題が社会的に注目されている現場を目にして、日本でも将来的にそのような問題が発生するだろうという考えたことがきっかけです。

小林は日本に帰国後、すぐに環境担当役員を任命し、専門部署の設置を命じました。また、1973年には現在でいう環境の監査制度を整備し、監査を開始しています。

NECでは、早い時期からそのような環境への取り組みを行っていたという経緯があるのですが、当時は公害や災害を発生させないという活動が中心でした。

その後、環境マネジメント体制の構築など取り組みも継続的にレベルアップしてきた結果、現在では事業と一体となった活動として「環境経営」になったというわけです。

「環境経営」とは具体的にどのようなものですか。また「NEC環境経営ビジョン2010」を策定なされていますが、そちらについてもお聞かせください。

NECが考える「環境経営」には、3つの要素があります。まずは、自らの事業活動に伴って発生する直接的な環境負荷やリスクを継続的に低減し、事業活動を持続可能にしていくというものです。

続いては、お客様に提供する製品やサービスは、環境に配慮されたものでなければならないというものです。例えば製品であれば、設計段階から環境負荷の少ない部品の選定や使用段階の環境負荷の低減、さらに使用後の廃棄に至るライフサイクル全体において製品環境アセスメントを実施して作られています。

そして最後は、NECが提供するITソリューションが、お客様、さらには社会全体の環境負荷低減に貢献していくというもので、事業そのものが環境貢献になるということを表しています。

 NEC環境経営コンセプト

特に、最後のITソリューションの提供を通してお客様・社会の環境負荷低減に貢献するという考えは、IT企業として事業そのものが環境に貢献していることを表しているといえます。我々は、この考えを“IT、で、エコ”という言葉に込めて、2002年ごろから広告や展示会など様々な場でアピールしてきました。

“IT、で、エコ”のマーク

この「環境経営」の考え方を基に、2003年3月に「NEC環境経営ビジョン2010」を策定しました。これは、長期の環境経営目標として策定したもので、「2010年度にCO2排出量を“実質ゼロ”にする」というものです。分かりやすく示すために、この目標を天秤の図で表して紹介しています。

「NEC環境経営ビジョン2010」の目標

天秤の左側は、NECが与える環境負荷を表しています。①はNECの生産活動やオフィス活動などの事業活動において排出するCO2の量を表し、②はNECが提供した製品をお客様が使用することで排出するCO2の量を表しています。つまり、天秤の左側は、NECという会社が存在し、事業を行うことで排出されるCO2の量だといえます。

一方、③の天秤の右側はITソリューションの提供を通じて、お客様、さらには社会全体のCO2排出削減に貢献した量を表しています。そして、2010年度に事業活動で排出したCO2を、事業活動を通じて、お客様や社会からのCO2排出削減に貢献した量で相殺し、トータルで“ゼロ”にするというのがビジョンの目標です。

この進捗状況ですが、2009年度が終了した段階で、左側が170万トン、右側が190万トンということで、ITソリューション提供の効果のほうが大きくなっています。つまり、1年前倒しでCO2排出量“実質ゼロ”を達成したことになります。

「NEC環境経営ビジョン2010」の進捗状況

2009年は世界的な不況もあって、生産量が減少したという要因もあり、今後この天秤はまた左に傾くのではないかという声もいただきますが、NECグループの構造改革もあり、天秤の左側にある生産活動の約6割を占めるNECエレクトロニクス株式会社が、「ルネサス エレクトロニクス株式会社」として当社の連結から外れたことなどもあるので、今後逆転する可能性はまずないだろうと考えています。もちろん、これからも生産やオフィスで排出されるCO2の削減を進めていくのですが、ソリューションにおける貢献や提供するハード製品の省エネに関しては、社会におけるCO2の削減という意味でも強化していきたいですね。


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