日本ヒューレット・パッカード株式会社

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「グローバルシチズンシップ」に基づく環境への取り組みがスタート

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日本ヒューレット・パッカード株式会社

「紛争鉱物」への取り組みというものなさっているようですが、具体的な内容についてお聞かせください。

これは、環境というよりも人権への取り組みとして行っている活動です。「紛争鉱物」という言葉は、2010年7月に米国で成立した「ドッド・フランク・ウォールストリート改革及び消費者保護法(※)」第1502条に規定されたことで知られるようになりました。コンゴ民主共和国および周辺地域における紛争地域で生成された鉱物のことであり、スズ・タンタル・タングステン・金の4つが対象となっています。

※「金融規制改革法」や、法案を提出した議員の名前から「ドッド・フランク法」とも呼ばれる。

中央アフリカに位置するコンゴ民主共和国は、世界でも有数の鉱物資源を豊富に有する国なのですが、1990年代末から内戦が激化し、武装組織(ミリタリーグループ)が人権の弾圧を行いつつ、一部の鉱山を占拠して希少な鉱物を採取し、資金源にしているのです。

同法では、米国の上場企業に対して製造過程で紛争鉱物を使用しているかどうかを調査し、情報を公開・報告することを義務付けています。

HPはEICCメンバーとして、紛争鉱物への対応について、業界を代表して取り組んでいます。金やタンタルなどの鉱物が製品となるまでに、鉱山での採取から始まり、精錬所で生成され、部品として加工され、最終的に製品へとなるというサプライチェーンの流れがあります。HPでは、2011年に自社のサプライチェーンにおける確認作業を開始し、同時にEICCにて電機・電子業界全体が紛争と関連のない精錬所を利用するための各種プログラムを構築し、世界で展開をしているのです。HPの紛争鉱物の責任者がEICC代表として来日し、国内製造業向けに状況説明を行ったこともあります。

このほか、責任ある材料調達のためのパブリック・プライベートアライアンス(PPA)運営委員として、米国の政府や貿易機関、NGO、コンゴ地域の代表などの関係者による対話の場を設けました。さらに、紛争鉱物ではないタンタルを認定する「Solutions for Hope Project」にも参加しています。HPでは、同プロジェクトで認定されたタンタルを製品に使うことを、グローバルシチズンシップレポート内でも明記しています。

このような形で、HPでは紛争鉱物を使用しないための取り組みを積極的に進めているのです。


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