日本コカ・コーラ株式会社

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グループのプラットフォーム 「eKO(イー・ケー・オー)システム」

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日本コカ・コーラ株式会社

今回の「エコなニュース」は、「コカ・コーラ」を始め「ジョージア」「アクエリアス」「爽健美茶」など数多くの清涼飲料のブランドでおなじみ、日本コカ・コーラ株式会社様の取り組みをご紹介。

グローバルな飲料メーカーの環境への取り組みはどのようなものでしょうか。

  • 広報・パブリックアフェアーズ本部
    環境パフォーマンスマネジメントグループ

    大西 様
  • 広報・パブリックアフェアーズ本部
    CSR戦略グループ

    後藤 様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

貴社には「eKO(イー・ケー・オー)システム」という環境マネジメントシステムがありますが、これはどのようなものなのですか。

一般的に環境マネジメントシステムというと、「ISO14001」などが知られているかと思います。「eKOシステム」とは、ザ コカ・コーラ カンパニー(本社:ジョージア州アトランタ)がグローバルで導入している独自の環境マネジメントシステムで、清涼飲料企業の業態に合わせた内容で国の基準よりも厳しい基準を設けているところもあります。

日本では、日本コカ・コーラと全国に12社あるボトラー社、そして関連会社で企業体「コカ・コーラシステム」を構成しており、この「eKOシステム」を2002年から全国のボトラー社で順次導入し、2005年からはコカ・コーラシステム全体で統合運用を開始しています。基本的に日本コカ・コーラと全国のボトラー社に資本関係はなく、全て独立した会社として存在しているため、コカ・コーラシステム全体で一貫した戦略を取るためには、緊密なコミュニケーションをとるのはもちろん、実際の施策に落としこんでいくには、定量的なデータに基づく情報収集とその情報を基に全体の方向性を全社で合意することが重要になります。そのためのプラットフォームとして、清涼飲料ビジネスに特化して、かつ全社共通のマネジメントシステムとなっている「eKOシステム」の存在が必要なのです。

特長としては、「環境負荷の削減」と「経営効率の向上(コスト削減・環境要素を付加価値としてビジネス機会につなげていく)」の2つを目的としていることが挙げられます。そして「環境負荷の削減」においては、とりわけ水・エネルギー・廃棄物(空容器含む)という3つの領域を重点取り組み領域として、様々な活動を展開しています。

「eKOシステム」ロゴ

「eKOシステム」はグローバルでも導入しているというお話ですが、日本独自で行っていることはありますか。

「eKOシステム」は、コカ・コーラがグローバル全体で環境を考える上での共通プラットフォームとなるものなので、基本的なところで違いはありません。そうはいっても国によって、抱えている課題が異なるという事情があります。

例えば、日本を一歩出ると「水」の問題が顕在化します。世界的に見て、そもそも水が不足している地域がかなりあるのです。そのような状況で飲料を製造するには、まず水源をしっかり確保しなければならない。そこで、その地域では井戸掘りプロジェクトに投資したり地域の人たちと一緒に水資源を守る活動を行ったりしています。地域に根ざした企業としては、製造に必要な分だけ確保すればいい訳ではなく、その地域に住んでいる人たちがきちんと生活を送る上で必要になる水についても、当然ながら考えねばならないのです。

このような課題を解決するため、コカ・コーラでは全世界にある約800の全工場を対象に、水の使用量や地域の人たちへの影響について調べる大きな調査を行いました。そして、その結果を基に、持続可能な水資源環境を作り上げるには何をすべきか考え、具体的な取り組みを世界で様々な形で始めています。それらを「Water Stewardship=水資源管理プロジェクト」と呼んでいます。例えばWWF(World Wide Fund for Nature=世界自然保護基金)とパートナーシップを組んで行った世界7大河川水域の環境保全水質調査などがその活動の一環となります。水問題についてはビジネスの枠を超えて、全世界で積極的に取り組んでいく方針となっています。

ちなみに07年、ザ コカ・コーラ カンパニーで当事のCEOであったネビル・イズデルからも、コカ・コーラは全世界的に水資源保護に積極的に取り組んでいくことが表明されています。


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