株式会社フェリシモ

サービス・その他

環境美学-「eco-aesthetics(エコ-エステティクス)」

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株式会社フェリシモ

今回の「エコなニュース」は、カタログ・インターネット通信販売の株式会社フェリシモ様の取り組みをご紹介。

基幹事業のダイレクトマーケティングはもちろん、商品や包装などについて環境問題にかなり配慮し、熱心に取り組みをなさっています。

  • 経営企画部
    コーポレートコミュニケーショングループ
    グループリーダー 部長
    吉川 様
  • 第3事業部
    ecolorグループ
    グループリーダー
    課長代理
    能勢 様
  • 経営企画部
    EMS事務局
    主任
    中村 様
  • 経営企画部
    コーポレートコミュニケーショングループ
    主任
    三宅 様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

貴社の環境への取り組みにおける理念である「eco-aesthetics(エコ-エステティクス)」とは、どのようなものですか。

私たちの環境に対する理念の「eco-aesthetics」には、「環境美学」という意味が込められています。これは、「eco(環境)」と「aesthetics(エステティクス=美学)」を合わせた造語です。

「自分にとっての大切なもの」は「地球にとって大切なもの」でもあり、「人間の健康」が「地球の健康」、そして「私たちのあるがまま」が「地球のあるがまま」なのです。要するに、私たちにとって大切なことと地球にとって大切なことが同じであり、そのような美しさを追求していく気持ちをこの言葉で表現しています。

単に環境問題に取り組むのではなく、私たちにとって美しいものは社会や地球にとっても美しいものだということで、そのような美学を追求していきたいということです。

「eco-aesthetics」が理念ということについて、もう少し詳しくお聞かせください。

以前の「eco-aesthetics」では、基準を設け、その基準をクリアした環境配慮商品には「f.e.a.(=felissimo eco-aesthetics)マーク」をつけて、お客さまにその商品が環境保全に配慮したものであることを伝えていました。

しかし、環境配慮型商品、つまり「f.e.a.マーク」をつけることのできる商品の企画についてノルマができてしまいました。例えば、この「f.e.a.マーク」商品を少なくとも数種類企画しましょうといった具合です。「f.e.a.マーク」商品の企画数にノルマを課してしまったがために、いくつ環境に配慮した商品を企画できるかが目標となってしまったわけです。そのため、本来あるべき環境活動とは離れたものとなってきていました。

その反省から商品個々に「f.e.a.マーク」をつけることを止め、「eco-aesthetics」がフェリシモの環境活動の理念であるとして、全ての商品に対してこの理念を反映させましょうという考え方に変わりました。

「eco-aesthetics」を理念とすることによって、社内的な意識は変わりましたか。

フェリシモには「ともにしあわせになるしあわせ」という言葉があるのですが、お客さまと共にというだけではなく、社会と共にしあわせになりましょうという意味が込められています。その意識が社内には浸透していますし、20年以上の長い間環境活動を行っていることもあって、特別な意識変化ということはありません。

ちなみに、当社では「環境パスポート」というものを発行しています。社内の環境方針のほかに、環境マネジメント・環境経営の意識を高めるために、仕事における環境への影響を自筆で記載してもらいます。例えば、消灯やエアコンの設定温度などによって電気の無駄遣いを抑える、コピーは両面印刷を心がける、ゴミの分別、5R(Refuse・Reduce・Reuse・Repair・Recycle)など、全社的に可能な環境活動を記載します。

さらに、自分の担当業務に関わる環境活動に関して(直接的ではなくても)、自分たちの言葉で目標という形で記載します。全社的な環境活動の推進、仕事の業務の効率化(無駄な残業はしない)などでしょうか。

この「環境パスポート」は、社員だけではなく、パート・アルバイトの方を含む全従業員が携帯しているので、しっかりと記入してもらっています。

「環境パスポート」

20年以上環境活動を続けているというお話ですが、それだけ長く続いている理由はどのような点にあると思いますか。

「ともにしあわせになるしあわせ」のとおり、自分たちだけが利益を上げてしあわせになるのではなく、お客さまにも喜んでもらわなければならない、さらには(自然を含む)社会もしあわせでなければなりません。環境問題についても無視するわけにはいかないのです。

約20年前(1988年ごろ)というと、環境問題に関して意識を持っている企業というのは少なかったのではないでしょうか。そのような状況のなか、環境への取り組みを地道に進めてきたのはすごいことだと思っています。

「f.e.a.ネガティブチェックリスト」というものがあるのですが、どのようなものかお聞かせください。

「f.e.a.ネガティブチェックリスト」というのは、全ての商品で取り組んでいく基準のことです。

私たちは、商品については「ゆりかごから墓場まで」という言葉のごとく、商品・サービスの企画・製造から配送、廃棄までの全ての段階において環境に配慮する考え方を持っています。商品企画や商品を作る段階において「f.e.a.ネガティブチェックリスト」といった基準を設け、捨てられる段階を考慮してリサイクルできるようにする、素材や製造工程で危険性のあるものを使わないというようにしているのです。さらに細かくいえば、数年前から問題となっているダイオキシンを発生するものは使わない、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)を含む素材は使わない、フロンガスを発生させないなどということです。

ネガティブチェックリストでは、基本的に使ってはいけないものをリストアップし、使うのであれば十分な理由がなければなりません。例えば、色つきのビンというのはリサイクルしにくいのですが、中身が化粧品の場合には遮光しなければならないため必要なのです。光が当たってしまうと、品質が変わってしまいます。そういった合理的な理由がある場合にのみ、使用を認めます。これ以外にも、原生林の伐採や東南アジアのラミン材を使用しないなどといった、生態系に配慮したチェック項目があります。

また環境だけではなく、「キンバリー・プロセス(※)」など社会問題にも配慮した上で、チェック項目が決められています。当社ではアクセサリーも取り扱っているので、ネガティブチェックリストにより、「キンバリー・プロセス認証制度(KPCS)」によって合法的な卸元ルートで流通した(紛争とは無関係な)ダイヤモンドであることを証明しています。

※キンバリー・プロセス=いわゆる「紛争ダイヤモンド」といった、ダイヤモンドの不正取引をなくすため、産出国の政府や企業、NGO団体によって制定された国際認証制度。日本もこの制度を導入している。

このような「f.e.a.ネガティブチェックリスト」の項目を全てクリアした場合にのみ、当社で商品化できることになります。当社は企画会社であり、商品を自分たちで作っているわけではありませんので、お取引先を信用してはいますが、このようなリストによって安全性を担保しているのです。


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