株式会社ビックカメラ

サービス・その他

第一号のエコ・ファースト企業に認定

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株式会社ビックカメラ

FE社には、鳩山首相(当時)も視察に訪れていますね。

そうですね。1時間ほどをかけて熱心に視察をなされていました。私がご案内したのですが、いろいろとご質問をいただきました。

回収した家電を、1階で家電リサイクル法に基づいてエアコンとテレビのリサイクルを行い、2階で使用済み携帯電話のリサイクルとPCのリユース(再商品化)に取り組んでいます。

鳩山由紀夫首相が視察に訪れた際に、回収した家電を人間の手によって解体しているのをご覧になり、非常に驚かれていました。また、「設計段階からリサイクルしやすいような製品とすることをもっと考えなければなりませんね」ということもおっしゃっていました。

PCのデータ消去の方法は、ハードディスクに乱数を上書きしてデータを読めなくするのですが、それをご覧になった際に、鳩山総理が「データを見ることができるのですか」と質問をなさいました。「厳重なデータ消去の措置を行っているので、見ることはできません」と答えたのですが、それでもまだ見られるのではないかと疑問に感じておられたようでした。そして、同じ質問を数回なさったのです。

よくよく聞いてみると、「消去を行っている人がデータを見ることができるのではないか」と言いたかったようなのです。そこで、「それはもちろんですが、従業員には守秘義務があり、PCを持ち出したりデータをコピーしたりすることはできないので、そのような心配はございません」ということで納得していただいたのを覚えています。

回収した家電の解体を、手作業で行っているということには驚きました。

携帯電話の場合、原則として手作業で解体を行っています。エアコンやテレビも、ほとんど手作業ですね。しかし、小型家電については種類が多く、回収される量もかなりあるので、都度、手で分解するかは製品によることになります。

例えば、ノートPCの場合には手で筺体を外して、中から基盤を取り出すことになります。しかし、ICレコーダーのような小さい機器に関しては、手で解体するのは大変なので、そのまま破砕機に入れてしまうことになるでしょう。内部の基盤や有用・希少金属、プラスチックなどに分別後、精錬所でプラスチックは助燃材として利用されることになります。

家電のリサイクルの様子

このように、人の手による解体と機械による破砕を組み合わせて、小型家電のリサイクルを進めていきます。

「ビックカメラ エコツアー」を開催しているというお話がありましたが、こちらについてお聞かせください。

夏休みを利用して、小中学生とその保護者の方を対象に40名ほどの参加者を募集し、家電リサイクル工場を見学してもらうものです。かなりの反響があり、競争率は20倍ほどにまでなっています。抽選を実施し、当選者に家電リサイクルを行っている様子を見学してもらいます。また、「ビックカメラ・エコサロン」という教室を設け、クイズなどを交えながら家電リサイクル、節電など環境について楽しく学習していただいています。

「ビックカメラ エコツアー」の様子

今年(2012年)でまだ2回目なのですが、小中学生の環境問題に関する関心の高さに驚いております。小中学生は学校で環境教育を受けていることもあり、節電に関するクイズなどの正解率はかなり高いですね。

製品を製造する工場の見学をしたことはあっても、製品を解体・分解する工場を見学するのは珍しいようで、面白いという声を多くいただきます。エアコンやテレビといった大きい家電が解体・分別され、そのほとんどが再利用されます。最終的に捨てるものはわずかであるということを説明すると、多くの方は驚きます。ごみを捨てる場所がなくなりつつある昨今、とても環境にいいことに取り組んでいると感心されるケースも多く、近年は消費者の方の節電やリサイクルへの関心の高さを感じます。

なお、FE社の取り組みは中学校の社会科の教科書にも取り上げられています。


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