株式会社資生堂 :: 前編

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環境への取り組みは創業時から-「資生堂エコポリシー」

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株式会社資生堂 :: 前編

「資生堂アースケアプロジェクト」という取り組みについてお聞かせください。

「資生堂アースケアプロジェクト」は、本年度(2009年度)4月に発足したもので、世界中の全社員が取り組む環境プロジェクトです。「資生堂アースケアプロジェクト」を立ち上げる前も環境に対する取り組みを行っていましたが、「資生堂エコポリシー」をベースにさらなる加速化を目指して、「資生堂アースケアプロジェクト」を発足しました。

「資生堂アースケアプロジェクト」がスタートする前年には、およそ1年をかけて経営トップと関連部門の部門長が毎月集まって、環境に関するディスカッションを行いました。資生堂が世の中に必要とされる会社であり続けるために、環境問題を真正面から捉え、「環境を経営の中核に据える」という方針を決定しました。そして、「資生堂アースケアプロジェクト」の発足に合わせて、私が現在所属している環境統括室が誕生しました。このような環境専門の部署は、それまでは存在しませんでした。

資生堂グループの環境活動の全体像は、先ほどご案内した「企業理念」が頂点にあり、次に「資生堂エコポリシー」が位置し、その下には“「人も地球も美しく共生する社会」の実現を目指す”という内容の「使命」が存在します。「人」を美しくすることはもちろんですが、「地球」を美しくすることも資生堂の使命と捉えています。それを踏まえて、世界中の全社員が取り組む環境プロジェクト「資生堂アースケアプロジェクト」が発足しました。

資生堂グループ環境活動の全体像

「資生堂アースケアプロジェクト」の活動内容には、「基本的環境活動」と「資生堂ならではの環境活動」の2つがあります。

「基本的環境活動」とは、CO2の削減や省資源に努めたり、化学物質の排出を抑えるなど、どの会社も地球市民として当然行うべき活動です。「資生堂アースケアプロジェクト」の活動のポイントは、基本的環境活動を踏まえた上で、「資生堂ならではの環境活動」が盛り込まれていることです。

「資生堂ならではの環境活動」とは、“資生堂ならではの「美とエコをつなぐ新しいライフスタイル」を実現する”ということです。この内容は、企業理念にある「美しい生活文化を創造します」という内容を、環境活動の領域でも実現していこうとするものです。

実は、化粧品業界のCO2排出量は、鉄鋼・電気・自動車業界などと比較すると微々たるもので比べ物になりません。そのため、企業として当然取り組むべきことではありますが、単に環境負荷を減らしていけばよいとは考えておりません。社会に必要とされる企業として永続していくためには、「エコ」だけではなく弊社が追求し続けている「美」を結びつけることで新しい価値を生み出し、世の中の「エコ」が一層加速される、というところを目指してやっていきたいと考えています。

「エコ」というと、我慢する・節約する・削減するといったマイナスのキーワードを思い浮かべますが、その一方で「美」となると豪華である・贅沢であるといった対極ともいえるイメージがあります。この一見対極に位置づけられる「エコ」と「美」をどのように結びつけていくかという点が弊社の環境活動の中核であり、難しい課題ではありますが、必ず実現できると考えています。

「資生堂アースケアプロジェクト」のマークには「地球」「循環」「約束」という意味が込められています。リングは、資生堂と社会、資生堂と地球で交わしたエコの約束であり、「地球」そのものも表しています。資生堂のシンボルである椿の花をリングにプラスすることで、資生堂が全社一丸となって取り組む決意を示すとともに、資生堂の企業活動と自然との共生を表現しました。また、ちょっとしたこだわりなのですが、「椿の花」の傾きは地軸の傾きである「23.4°」にしています。

色について、普通はエコというとグリーンを使うことが多いと思いますが、私たちは「地球」と「生態系の象徴としての水」を表す色として、ブルーを採用しました。

今後は、このたくさんの想いがこもったシンボルマークを旗印とした取り組みを通じて、資生堂の「自然を敬う気持ち」や「社会のお役に立ちたいという理念」、そして「美へのこだわり」を感じていただければと考えています。

資生堂アースケアプロジェクトのマーク


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