株式会社ファミリーマート

サービス・その他

環境への取り組みは「ISO14001」の取得がきっかけ

46_familymart_grph_07

株式会社ファミリーマート

今回の「エコなニュース」は、株式会社ファミリーマート様の取り組みをご紹介。

株式会社ファミリーマート様では、環境に配慮した商品や包装、廃棄物のリサイクルなど、チェーン全体で環境への取り組みを数多くなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

社会・環境推進部 マネジャー 高橋様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

環境に配慮した商品や包装に取り組むきっかけとは、どのようなものですか。

ひとつの大きな流れとして、1990年ころには、よき企業市民や社会の一員として社会と共に歩んでいかなければならないという考え方がありました。その当時は、メセナ活動(※)や環境配慮などと盛んにいわれていました。地球温暖化などの環境問題へ関心が高まっていて、企業側にも環境活動への取り組みが求められるようになりました。

※メセナ活動=企業が行う文化・芸術活動。または、企業が資金を提供して文化・芸術活動を支援すること。

ファミリーマートが環境問題への取り組みを始めたのは1991年です。同時に「環境問題担当」を、社内組織内に設置しました。その当時は社内的な活動や各店舗での活動など、地道に行うものが中心でした。コピー用紙には古紙を使うことや、レジ袋の削減という活動もこのころからスタートしています。

1990年から1991年にかけては、社会的にも環境への配慮ということが注目され始めました。しかし、一時期は国内の環境への関心は停滞していたように思います。1996年になると「ISO14001」という規格が登場し、環境への関心が再び高まり、日本国内でも電機メーカーなどを中心にこの規格を取得する企業が登場しました。それ以降は様々な業種の企業でもISO14001を取得するようになり、その流れは小売業にも及ぶようになりました。そのような状況下で、ファミリーマートとしても環境問題への取り組みを強化しなければという考えが生まれ、1999年3月にISO14001を取得することとなったのです。社内的なきっかけというと、このようなことが理由として挙げることができますね。

ISO14001を取得してから、社内的には環境問題への意識は高くなっているのですか。

ISO14001を取得する以前から、各部署がそれぞれ具体的な環境への取り組みを行っていました。例えば、ファミリーマートがISO14001を取得する前の1997年から、太陽光発電の設置など環境問題に配慮した店舗をスタートしています。1997年から実験を開始したのですが、当時は太陽光発電設備の耐用年数は20年といわれていました。この実験には、設備が長期間耐えられるものなのか調べるという意味合いもあったのです。太陽光発電の設置は費用がかかるけれど、まずは行動してみようということで店舗の屋根にパネルを設置しました。

太陽光発電だけではなく、生ゴミのリサイクルや圧縮天然ガス(CNG=Compressed Natural Gas)を使った配送車の取り組みも、ISO14001の取得以前から各部署ですでに開始しています。会社全体でもそのような取り組みには予算を出し、企業の環境政策として認められていました。

ただし、ファミリーマート全体としての将来的な環境問題への取り組みや、環境方針をどのように進めるかについては、ISO14001の取得をきっかけに仕切り直したということはいえるでしょう。環境方針を立てるに当たって、今まで行っていた取り組みは継続しつつも、さらに発展させていくべきだという考えはありました。

そのようなこともあり、

  • 環境に配慮した商品開発
  • 環境に配慮した配送の仕組みの構築
  • 環境に配慮した店舗施設
  • 日常の店舗の運営で行う環境配慮
  • 社員全員による事務所の環境活動

というように、全部で5つの取り組みについては柱として残していく方針を決定しました。

このように「商品」「物流」「店舗施設」「店舗運営」「事務所」という5つの方針を立てることにより、個々の社員が業務のなかで、何らかの形でいずれかの方針に関わっているというような仕組みを構築することができました。これらは、ISO14001の取得による結果といえるでしょう。

容器や包装の環境への配慮についてお聞かせください。

焼却しても有害ガスを発生しない包装という点では、ポリエチレンを素材としたレジ袋を挙げることができます。レジ袋というと、かつては焼却によって有害なガスを発生するといわれていた時期もありました。現在ではレジ袋のメーカー側で、有害ガスを発生しないような対応をしていただいております。かつては塩化ビニールがよくないといわれていたこともあり、ラップについても燃やしても有害ガスを出さないポリオレフィンという素材に切り替えました。

卵のパック、サラダの容器、デザートの容器などについても一部ですが、とうもろこしなどの植物を原料とするバイオマスプラスチックを素材として使っています。ただし、バイオマスプラスチックはまだ流通量が少なく高価なため、全部をすぐに切り替えるということは難しいといえます。現状では段階的に切り替えを進めています。

バイオマスプラスチック容器の商品-「フレッシュ野菜サラダ」
バイオマスプラスチック容器の商品-「新鮮輝きたまご」
容器裏面の記載

レジ袋の削減については、広まってきているのですか。

そうですね。あくまでもお客様のご理解・ご協力を得ながらということではありますが。主に行っているのは、お客様にひと声かけてレジ袋が必要かどうかをお聞きし、不要であればテープを貼るだけで商品をお渡しするといった啓発活動ですね。最近マイバッグを持参されているお客様も増えていて、そのような形でもレジ袋の削減にご協力していただいております。

また、レジのそばには液晶のディスプレイが設置されており、その画面では「レジ袋がご不要の場合にはお申し出ください」ということを表示しております。さらに、店舗の入り口にもポスターを貼り、レジ袋削減の呼びかけを行っています。


関連記事一覧

タグ