株式会社ヤクルト本社

メーカー

「人も地球も健康に」をモットーに、ヤクルトならではの取り組み

yakult_thumbnail

株式会社ヤクルト本社

今回の「エコなニュース」は、“乳酸菌飲料”のトップランナー、株式会社ヤクルト本社様の取組みをご紹介。

ヤクルト本社様では『人も地球も健康に』をコーポレートスローガンに、商品そのものや容器、販売活動など事業活動の様々な部分で“ヤクルトだからこそできる取組み”を積み重ねているそうです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

  • 広報室
    CSR・環境推進室 参事
    入船豊昭様
  • 広報室
    主任
    丸山英輝様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

『ヤクルト』は、私たち日本人にとってとても親しみのある飲み物ですね。

ありがとうございます。『ヤクルト』は1935年に製造・販売を開始して以来、実に80年もの間、国内外で非常に多くの方々にご愛飲頂き、現在国内外におけるヤクルトの乳製品は、1日あたりの販売本数が約3,000万本を超えています。

1日で3,000万本ですか。何か国で販売されているのですか?

現在、日本を含めて33の国と地域で販売しています。

日本では、飲料などを製造・販売する飲料事業の他にも、飲料事業で培った研究開発力を発展させて生まれた医薬品事業、そして化粧品事業などを展開しております。

御社の環境保全活動は、やはり3,000万本という大変ボリュームがある『ヤクルト』が軸となるのでしょうか?

そうですね、『ヤクルト』などの商品の生産からお届けまでの流れの中で、環境負荷低減活動に取組んでいます。

その中でもユニークなのが、ヤクルトの空容器を利用した「ヤクルト A&G水浄化システム」という独自の排水浄化システムです。これは、『ヤクルト』の容器の底を抜いたもの(ヤクルトろ材)を、接触材に利用した水浄化システムで、産業排水や生活排水を高度に浄化します。

ヤクルトろ材

排水処理施設内の排水処理槽にランダムに詰め込んだヤクルトろ材の内外面に多種・多数の微生物が棲みつき、水質汚濁の原因となる有機物を分解するのです。従来の活性汚泥処理法に比べて、余剰汚泥の発生をほぼゼロに抑制できたり、ランニングコストを半分程度に抑える事ができるなど、優れた浄化性能を発揮します。

「ヤクルト A&G水浄化システム」の構造

優れた浄化性能は「ヤクルトろ材」が鍵となると思いますが、特徴を教えて頂けますか?

浄化槽が高度に機能するためには、水の汚れの原因物質を分解する微生物を、接触材にいかに多く住み着かせることができるかが重要です。つまり接触材の形状や表面積の大きさがポイントとなるのです。

微生物といっても酸素のある所でよく育つもの、一方で酸素があるとかえって育たないものもあり、ヤクルト容器のこの形―ちょうど中がくびれているのですが―が様々な微生物の棲みかとして適しているのです。

ヤクルトろ材の効果の高さから、現在では国内の自社工場や外部施設、そして海外ではインドネシアの自社工場にも導入されています。

導入実績 ヤクルト本社 兵庫三木工場

【導入実績:自社施設】

導入施設 導入時期
茨城工場 1991年3月
市川独身寮 1991年3月
ヤクルト食品工業(株) 1996年5月
福島工場 1997年9月(更新整備中)
(株)愛知ヤクルト工場 2002年12月
富士裾野工場 2005年3月
(株)岩手ヤクルト工場 2007年3月
(株)愛知ヤクルト工場(増設) 2008年1月
兵庫三木工場 2012年3月

 

【導入実績:外部施設】

施設の名称 容器使用数量
垳川平成泉橋水処理施設(東京都足立区垳川) 153万本
長良川河口堰鮎孵化水路(三重県長良川河口堰) 314万本
境川浄化施設(岐阜県羽島市境川) 3,818万本
妙正寺公園池(東京都杉並区) 4.4万本
真菰ヶ池(石川県加賀市) 5.6万本
城沼(群馬県館林市) 9.6万本
妙参寺池(群馬県太田市) 4.8万本

海外の工場にも導入されているのですね。

各国で色々な規制や設備の事情もありますので、どこででも使えるという事ではないのですが、インドネシアの工場ではこの「ヤクルト A&G水浄化システム」を2010年に導入しました。ヤクルトろ材の製作(容器の底を抜く)作業は、地域の方々と協力しながら進めました。

導入実績 インドネシアヤクルト スカブミ工場

素晴らしいですね。
飲料として人々の健康推進の力となり、容器は水を浄化するという、御社ならではの取組みですね。

ありがとうございます。その他、東日本大震災の際には3か所の仮設診療所へ、ヤクルトろ材を使用した浄化槽を寄付しました。

また、最近お声がけいただくのが小学校や中学校です。理科や生物、総合学習などの科目で、少し淀んだ学校の池をヤクルトろ材で浄化してビオトープにするといったお手伝いをしています。この取組みは、どういう仕組みで水や自然環境が循環しているかを実際に見てその仕組みを理解してもらい、自然の重要性を考えるきっかけづくりになっていると認識しています。

授業風景 和歌山市立 西和佐小学校

関連記事一覧

タグ