TOTO株式会社

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創業100周年を見据えた「TOTO GREEN CHALLENGE」

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TOTO株式会社

「TOTO水環境基金」という取り組みについてお聞かせください。

実は、「TOTO GREEN CHALLENGE」を開始する前から、当社でも社会貢献活動を行っており、各地域の方々と連携を図りながら、企業としてできることに取り組んでいました。

TOTOでは水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化の創造により、社会の発展に貢献する企業を目指しているのですが、それは社会の持続的な発展があってこそ実現するわけです。そこで「TOTOだからこそできる社会貢献は何か」と考えたときに、水をきれいにするため、川の流れる森林を豊かにする取り組みができないかということで、2005年に「TOTO水環境基金」がスタートしました。

海が蒸発して雲を形成し、そこから降る雨が山や森の地面にたくわえられて湧水や川になります。それが浄水場で安全な水道水となり、家庭で利用されます。その後、トイレで流した水や洗濯で汚れた水などを下水処理場できれいにして、川や海に戻すというのが繰り返されます。

そういう意味では、確かに水の使用量を減らすのは重要ですが、きれいな水を増やすというのも必要といえます。そもそも、水がなくなってしまうと、水まわりを中心とした商品をつくる当社の事業が成り立たなくなるわけです。

「TOTO水環境基金」では、水をきれいにするために各地域で活動しているNPOをはじめとする市民活動団体に対して、助成金という形でサポートしています。もちろん、どこの団体や場所でもいいというわけではなく、当社の思いと合致する活動に取り組んでいるところをいくつか選び、1年間活動の支援をさせていただいております。

具体的な選考基準はあるのですか。

もちろん、選考基準を設けています。助成金による経済的なサポートだけをすればいいというわけではなく、TOTOと一緒になって活動したいという意思があり、いかに地域に密着した取り組みであるかということや、TOTOの社員が休日に活動へ参加できることなどが、選考基準となっています。社員も協力して森林を育て、水をきれいにするために活動していこうというわけです。

「TOTOどんぐりの森づくり」という取り組みもありますね。

「TOTOどんぐりの森づくり」も「TOTO水環境基金」と同様の趣旨に基づいた活動で、創立90周年記念事業として2006年にスタートしました。ただし、社員の環境意識を高めるという目的もあり、水環境基金よりも社員主体という色の強い活動だといえるでしょう。全国で取り組んでおり、各地のTOTOの社員が参加しやすい環境を整えています。

他社さんが行っている植樹活動と同様、基本的には森を豊かにすることで、地球温暖化防止・CO2の削減・生物多様性の保全につなげていくのが目的です。ただし、単に木を植えて終了というわけではありません。「TOTOどんぐりの森づくり」では、まずは、山や公園、お寺などで社員がどんぐりを拾うところから始まります。

拾ったどんぐりを自分で育てることで、環境に対する意識を高めていこうという意図があります。2年ほどかけて苗木にまで成長させたものを植樹するのですが、それだけではなく、植樹後も下草刈りや枯れた苗の植え替えなど、定期的なメンテナンスも行います。

なぜ、どんぐりなのですか。

よく聞かれる質問なのですが、どんぐりができるのはコナラやクヌギ、カシなどのブナ科の樹木(広葉樹)であるというのが大きな理由です。広葉樹は地面に広く根を張り、保水力が非常に高いのです。また、どんぐりは山や公園などで簡単に見つけられます。さらに、多くの方々が小さいときから慣れ親しんでいる木の実だともいえます。

活動を通じてNPO法人や保育園の園児など、社外の方々との交流や地域の活性化を図るという目的もあります。TOTOと一緒にご協力いただける、地域の方々やNPO法人さん、行政にもご協力いただきながら継続的に活動を進めています。

植樹活動といっても、どんぐり拾いから活動しているというのは少ないようですね。どんぐりを拾うことで、苗木に育てる際の思い入れは高まりますし、自分で植えた苗木は成長が気になりますよね。


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