本田技研工業株式会社 :: 後編

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実用化に先駆けて開発-新型燃料電池車「FCXクラリティ」

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製品の資源循環の取り組みについてお聞かせください。

製品の資源循環については、かなり以前から取り組んでいます。製品の資源循環を実現するためには、開発段階から3R(リデュース・リユース・リサイクル)に配慮した設計をし、素材を適正に再利用できる製品の製造を行わなければなりません。さらには、廃棄時に解体や分解しやすいようにする、材料の純度を保つ(ほかのものが混ざりこまない)といった状態で開発できるように考える必要があります。

使用段階における資源循環の取り組みの説明として、自動車の内装材の関する、少し古い話を例に挙げさせていただきます。インパネ(インストルメントパネル)と呼ばれるハンドルの前のメーターカバーから助手席に続く一連の部分は、自動車に乗ったときの顔ともいえます。このインパネは、ABS樹脂の基材にオレフィンフォームとPVC(ポリ塩化ビニル)などの表皮を貼りつけるというように、異種の材料を貼り合わせるため、以前は廃車後に粉砕してもリサイクルすることが困難という問題がありました。

しかし、最近はモノマテリアル化といって、全てリサイクルしやすいポリプロピレン系の素材で作られているため、まとめて溶かすことができるのです。このように、使用段階だけでなく廃車後にも配慮することが重要です。

廃棄段階における資源循環については、法律などに沿って取り組みがなされています。例えば、欧州ではEUが施行した「ELV指令(End of Life Vehicles, Directive/廃自動車指令)」が、日本でも「自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)」があるのです。

自動車メーカーでは、自動車リサイクル法により、オゾン層破壊や地球温暖化に影響する「フロン類」、爆発性を有するために処理が困難である「エアバッグ類」、使用済み自動車から有用な資源を回収したあとに残る「シュレッダーダスト(ASR=Automobile Shredder Residue)」について引き取り、処理する義務を負っています。ホンダでは、ユーザが負担する金額をできるだけ抑え、適正な観点からリサイクル料金を設定しています。

このように、ホンダでは開発から廃車処理まで、自動車のライフサイクル全般に対する取り組みを行っているのです。


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