オゾン? そう、オゾン層

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2011年10月01日

フロン類は舌を噛みそうな名称の化学物質ばかり

オゾン層やオゾンホールといった言葉をニュースなどで目にするが、そもそもオゾンとはどのような物質であろうか。

空気中にある酸素は2つの酸素原子(O2)から構成される分子である。そして、オゾンとは3つの酸素原子(O3)からなる分子をいう。オゾンは1984年にドイツの化学者によって発見された。

オゾンは、地表から高度10kmあたりから50kmまでの上空に位置する成層圏に多く存在する。そこには大気中の90%ものオゾンが含まれているとされ、この層を「オゾン層」と呼んでいる。

オゾン層には、太陽光の有害な紫外線(UV-B)を地表に到達する前に吸収し、地球の生物を保護するという、いわゆるバリアのような働きがある。

なお、紫外線にはUV-A・UV-B・UV-Cという種類がある。UV-Aは人体や生態系への害は少なく、地表まで到達する。有害なのはUV-BとUV-Cだ。UV-Cはオゾン層で吸収されるので地表まで届かないのだが、UV-Bの一部は地表まで到達する。オゾン層の破壊により、地表に到達するUV-Bが増えているというわけだ。

オゾン層におけるオゾンの量が1%減少すると、地上に降り注ぐ紫外線(UV-B)の量は1.5%増えるのだとか。

オゾン層ではバランスを保ちながらオゾンが消滅・生成を繰り返しているのだが、フロンなどの化学物質の影響で、この消滅・生成のバランスが正常になされなくなってきた。

フロンの正式名称はフルオロカーボン(フッ素と炭素からなる化合物)であり、そもそも自然界には存在しない物質だった。フロンは燃えにくく、人体に毒性がないなどの理由から、様々な製品に用いられてきた。

だが、地上で放出されたフロンは大気中で分解されにくく、そのままオゾン層に到達する場合が多いことが分かった。そこで紫外線により分解され、塩素原子が放出される。実は、この塩素原子こそがオゾン層を分解してしまう原因なのだ。特に南極の上空ではオゾン層の減少が進んでおり、毎年8月から12月ごろには、人工衛星で撮られたオゾン濃度の解析図に「オゾンホール」が確認されている。

このオゾンホールは、年によって変動はあるものの、オゾン層の破壊の進行により拡大している(縮小の兆しはない)とされている。特に、1980年代から1990年代にかけて急激な拡大が見られたという報告があり、2009年9月17日には南極大陸の約1.7倍である最大面積2,400万平方キロメートルに達したとされる。

オゾン層を破壊する化学物質の種類には、CFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などがある。CFCはかつて、冷蔵庫やエアコンの冷媒、スプレーの噴射剤など幅広く用いられてきた。しかし、オゾン層を破壊することが分かってからは世界的に生産が規制され、2009年度末までに全廃された。

また、CFCの代替物質とされたHCFCも、ある程度オゾン層を破壊することが分かり、生産が規制されるようになっている。

CFCやHCFCが生産規制を受け、その代わりとして使用されるようになった化学物質が、HFC(ハイドロフルオロカーボン)やPFC(パーフルオロカーボン)、SF6(六フッ化硫黄)の代替フロンだ。だが、これらの物質はオゾン層を破壊することはないが、実は強力な温室効果ガスであることが分かった。二酸化炭素の数百倍から1万倍以上もの温室効果があるというからオドロキだ。特に、HFCについては京都議定書の削減対象指定物質とされている。

なお、先述したフロンと代替フロンを合わせて「フロン類」と呼ばれる。

オゾン層の破壊が知られるようになり、国際的な取り組みとして1985年に「オゾン層保護のためのウィーン条約」が合意され、1987年にはオゾン層破壊物質に関する具体的な規制を定めた「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。

もちろん、日本でもオゾン層保護の取り組みが行われている。1988年に「オゾン層保護法(特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律)」を制定し、オゾン層破壊物質の生産・輸出の規制、排出抑制の義務努力などを定めている。

その後も、冷媒フロンの使用禁止、回収と破壊が義務化されている「フロン回収・破壊法(特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律)」や、冷蔵庫やエアコンのリサイクルとフロンの回収が義務化されている「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」、自動車のリサイクルとフロンの回収が義務化されている「自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)」が制定され、フロン類の適正な回収や処理が行われている。

現在、オゾン層を破壊することなく、地球温暖化にも影響の少ない、NH3(アンモニア)や炭化水素といった「ノンフロン」と呼ばれる化学物質の使用が進められている。日本では、「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」に基づき、ノンフロンが選択できるものに関しては、国などの機関にノンフロン製品の調達を義務化するとともに、事業者や個人に対しても物品購入などの際に、ノンフロン製品を選択するように努めることを求めている。

我々もできることとして、冷蔵庫を購入する場合など、フロン類が使用されている製品かどうかを確かめて、ノンフロン製品を選ぶようにしたい。また、冷蔵庫やエアコンなどを捨てる場合には、家電リサイクル券を購入して引き取ってもらうこと。そして、今後もオゾン層と環境問題の関係を理解することが必要だ。

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