“スマート”にゲリラ豪雨から身を守ろう

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2011年08月31日

ゲリラ豪雨は気象用語ではない

ゲリラ豪雨とは、短時間に狭い範囲に集中して降る大雨(※明確な定義はないが、目安として1時間の雨量が50mm以上)のことだ。雷を伴うことが多いためゲリラ雷雨とも呼ばれる。この言葉はマスコミが使い始めたようだが、気象庁ではゲリラ豪雨という用語を使わない。気象用語としては集中豪雨となるようだ。なお、ゲリラ豪雨は2008年の流行語大賞トップテンに選ばれている。

単に雨といっても、気象庁では強さの程度により5段階に分類している。いわゆる“どしゃ降り”というのは予報用語では「強い雨」に該当し、1時間の雨量は20mm以上30mm未満となる。“バケツをひっくり返したように降る”という場合は「激しい雨」に該当し、1時間の雨量は30mm以上50mm未満となる。そして集中豪雨の場合だが、予報用語では「非常に激しい雨(1時間の雨量は50mm以上80mm未満)」や「猛烈な雨(1時間の雨量は80mm以上)」が該当するようだ。このような状態となると、傘をさしていても役には立たず、水しぶきによって周辺の視界は悪くなる。

ゲリラ豪雨が発生し、長い時間同じ場所に大雨が降り続くと、大きな被害をもたらす。

具体的には河川の氾濫や土砂崩れ、家屋の浸水、道路の冠水などだ。

今年の7月に発生した、新潟県と福島県の記録的な豪雨被害は記憶に新しいかと思う。両県は、2004年にも豪雨により大きな被害に遭っている。

集中豪雨は急速に発達する積乱雲によって引き起こされるのだが、集中豪雨と似たものに、局地的大雨というものもある。局地的大雨は「単独」の積乱雲の発達によって引き起こされる一過性のものだ。集中豪雨の場合、「複数」の積乱雲の発達により引き起こされ、局地的大雨よりも総雨量は多くなる。個々の積乱雲は1時間程度で消えるのだが、狭い範囲で次々と発生・発達を繰り返すことにより、激しい雨が長い時間降り続く。

それでは、積乱雲はどのように発生するのだろうか。積乱雲は“大気の状態が不安定”な気象状況で発生する。これは、地表面に暖かく湿った空気が流入したとき、あるいは上層面に冷たく乾いた空気が流入したときを意味する。具体的には、日本付近に前線が停滞しているときや、台風が接近・上陸しているときなどである。なお、都市部の積乱雲の急速な発達については、ヒートアイランド現象が原因ではないかという推測もなされている。

雲行きが怪しいなと思ったら外出を控えたほうがいいのだが、もし外出先で豪雨による急激な増水に遭った場合、身を守るためにはどのようにすべきか。黒く怪しい雲や稲光の発生など、空の変化を察知したときは、とにかく水辺から離れ、高い安全なところに避難すること。残念ながら豪雨の発生を防ぐことはできないので、その前に察知し危険を防ぐ以外にはない。

都心部では道路にコンクリートを多用しているため、大雨により冠水する危険性が高い。冠水した道路を歩くことになった場合、マンホールや側溝に落ちないように電柱やガードレールを目印としよう。長い棒で足元を確認しながら歩くのもいいだろう。

地下にいる場合、地上に出るにはエレベーターではなく階段を使うこと。なかに閉じ込められる恐れがあるからだ。

水かさが増し、車内に閉じ込められてしまったときにはドアは開かないので、窓を壊して脱出する。あるいは完全に水没するのを待ってから、息をためてドアを開けよう。

雨だけではなく、ゲリラ豪雨では落雷も怖いので十分に気をつけたい。落雷の被害を避けるには、身につけているネックレスなどの金属を外すといいといわれているが、それは勘違いだ。金属類や絶縁物を身につけていることと、落雷の危険性に関係がない点は理解しておこう。

ゲリラ豪雨に遭遇することを避けるため、可能な限り最新の気象情報を入手しておきたい。気象庁のホームページや民間の気象会社のサービスなどでも情報を入手できるが、関東地方に住んでいる人には、東京都下水道局の降雨情報システム「東京アメッシュ」がオススメだ(※すでに利用しているという人も多いだろうが)。東京都を中心に東西約190キロメートル・南北約120キロメートルの範囲、要は神奈川県・千葉県・埼玉県の降水量情報もチェックできる。

なお、自治体の下水道関連部署による同様のサービスは、埼玉県(アメネットさいたま)や横浜市(レインアイよこはま)などでも提供されている。

「なぜ、下水道局がこのようなサービスを?」と思う人もいることだろう。実は下水道局には生活排水や汚水の処理はもちろん、洪水を防ぐための下水管に流れ込む雨水の排水という役割がある。東京都の場合、その排水には都内に80ヶ所以上もあるポンプを動かす必要があるのだが、それには降雨状況を迅速に把握しなければならないのだ。

「それならば、気象庁のデータを活用すればいいのでは?」という意見もあるかと思う。気象庁の降雨情報は全国を対象とするため、地域レベルでの詳細な状況を把握するのが困難という課題があった。

そこで、東京都下水道局が降雨状況を詳細(※降雨レーダーの観測単位=観測メッシュサイズは最小で250メートル)かつ迅速に把握できるように、レーダー基地局や地上雨量計などを設置し、構築した情報システムが「東京アメッシュ」というわけである。2007年からは、近隣自治体の降雨情報を取り込んでおり、精度が向上している。

「東京アメッシュ」がすごいのは、その精度の高さはもちろんのこと、5分ごとに情報が更新される点と、2時間前にさかのぼって降水量情報を確認できる点だ。以前は情報の更新は10分ごとだったのだが、5分ごとに改良された。雨雲の動きを察知し、それに対してどのように行動すべきかといった対策を立てることが可能だ。雨の強さが色によって区別されているので、一目で状況を把握することができる。

「東京アメッシュ」には、iPhoneやAndroid端末のスマートフォン用のアプリ版(無料)もある。設定メニューはシンプルではあるが、外出時などにぜひ活用したい。特に今年の夏はダウンロードしておこう(もうすぐ夏も終わりだけど……)。

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