熱中症は十分防ぐことができる
熱中症とは、簡単にいうと高温環境により引き起こされる障害の総称である。気温・室温の高い環境下で作業や運動を行うと、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れてしまい、体内の調整機能が働かなくなる。そのため、体温上昇やめまい、体のだるさといった症状が起こるわけだが、ひどい場合には痙攣(けいれん)や意識喪失などを引き起こし、死亡するケースもある。
ポイントは、水分と一緒に、ナトリウムなどの電解質と適度な糖分を摂ること。水だけを飲んでいても、確かにのどの渇きは収まるが、体内の体液濃度が薄くなってしまう。そこで、濃度を回復するため尿や水っぽい汗などで水分を外に出そうという働きが体内で起こる。そのため、水だけでは十分な補給にはならないのだという。なお、エコ山も外出時には欠かさずスポーツドリンクを携帯し、いつでも水分やナトリウムなどの補給ができるように心がけている。
熱中症というと屋外で起こるものと考えがちだが、実は屋内でもかかる可能性があるので要注意だ。特に今年は、電力不足により節電を呼びかけていることもあり、こまめに水分補給をしたり、エアコンをつけたりすることは必要だ。
さて、今年の熱中症の特徴として、高齢者の搬送が相次いでいることが挙げられる。高齢者は汗をかきにくく、暑さを感じにくいため、自覚のないまま熱中症にかかるケースが多い。そのため、特に高齢者の場合にはのどが渇いていなくとも、こまめに水分補給をしたほうがいい。
消防庁のデータによると、7月~9月の熱中症による救急搬送者の内訳(※平成20年~平成22年の合計)では、高齢者が約44%、乳幼児と少年が約14%も占めているという。
子どもの場合、汗腺などの体温調節機能が未熟であり、身長が低いため地面の照り返しにより高い温度にさらされている状態となる。そのため、外出時は帽子をかぶり、服装に注意することや、遊びの最中でも水分補給をさせることが大切だ。もちろん、暑さに負けない栄養バランスのよい食事を食べさせてあげることも忘れずに……。
昨年の夏もかなり暑かったと記憶しているが(※というより、記録的な猛暑だったはず)、消防庁のデータ、7月~9月の熱中症による救急搬送者の推移(※平成20年~平成22年) によると、平成22年(53,843人)は前年(12,971人)の約4倍、平成20年(23,071人)の約2倍も救急搬送されている人がいる。
もし熱中症にかかってしまったとき(熱中症にかかった人がいるとき)には、まずは風通しのよい日陰やエアコンの効いた涼しい場所へ移動すること。衣服を緩めて体から熱を逃がし、安静に寝かせること。そして、皮膚に水をかける、うちわあおぐなど、とにかく体を冷やすことが重要だ。氷のうでわきの下や太もものつけ根を冷やすと効果的だ。
それでも意識がはっきりしない、自分で水を飲むことができないなど、重症の場合にはためらわずに救急車を呼ぼう。
今年の夏も気温・湿度の上昇が予想されるので、熱中症にならないように予防を心がけたい。熱中症は“予防できる”のだ。
なお、「一般社団法人 日本環境コンソーシアム」が運営する、「熱中症予防 声がけプロジェクト」というWebサイトがある。熱中症は水分や休憩を取ること、栄養を摂ることで防ぐことができる気象災害だとし、「温度に気をくばろう」「飲み物を持ち歩こう」などの“5つの声かけ”を提唱している。熱中症とならないためにも、チェックしておこう。
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