世界的な森林に関する年のようだけど
今年(2011年)は、国連が定めた「国際森林年(IYF/The International Year of Forests)」である。国際森林年の目的は、世界中の森林の持続可能な経営保全の重要性に対する認識を高めることだとされている。人間が生活するなかで森林の果たす役割を理解し、一人ひとりが森林を守るために、できる範囲でアクションを起こすことを求めており、森林の減少や劣化を食い止める狙いがある。
森林の役割として、光合成によって地球温暖化の原因である二酸化炭素を酸素に変えてくれることはご存知かと思う。また、木々の根は山崩れなどの災害を防ぐなど、地球上の動植物に多大な恩恵を与えてくれる。しかし、世界中でその森林の面積が急激に減少しているというのが現状だ。
国際連合食糧農業機関(FAO/The Food and Agriculture Organization of the United Nations)が5年ごとに出している報告書「世界森林資源評価2010(FRA2010/Global Forest Resources Assessment 2010)」によると、1990年~2010年の20年間だけでも、日本の国土の約4倍もの森林が減少しているという。その原因の多くは、過剰な伐採・農地化・森林火災など、残念ながら人間の活動によるものだ。地球温暖化や生物多様性が注目されるにつれて、森林の重要性が認識されるようになった。国際森林年が定められた背景として、このような現状がある。
2011年が国際森林年と定められたのは、2006年12月の国連総会決議に基づく。ニューヨークの国連本部にある「国連森林フォーラム(UNFF/United Nation Forum on Forests)」が、国際森林年の実施主体となった。国連森林フォーラムは、持続可能な森林経営を図るために設立された国連の機関だ。今年の1月24日から2月4日にかけては、国連本部で国連森林フォーラム第9回会合(UNFF9)が開催されている。
1992年にブラジルのリオで開催された地球サミット(国連環境開発会議/UNCED=United Nations Conference on Environment and Development)では、「森林原則声明(Forest Principles)」が採択された。森林原則声明とは森林問題に関する世界初の合意文書のことで、正式名称は「全てのタイプの森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明」である(長い……)。森林の保全や持続可能な経営・開発の実現に向けて、国際的に取り組むべき内容を15の項目にまとめたものだ。ただし、その内容には法的拘束力はなく、“努力すべき”という程度にとどめているのがポイント。
そして、1995年には「森林に関する政府間パネル(IPF/The Intergovernmental Panel on Forests)」が、森林に関する重要な事案について国際的なコンセンサス(意見の一致)を築く目的で設置される。森林に関する政府間パネルは、2001年に先述した国連森林フォーラム(UNFF)へと移行した。
国際森林年ということで、今年は世界中で植樹・森林祭・会議・スポーツ大会などのイベントが行われる予定だ。
ちなみに、「国際年(International Year)」というのは、国連総会において採択・決議されるものであり、特定事項の問題解決について全世界の団体や個人に呼びかけるための期間を意味するらしい。
実は、先述した国際連合食糧農業機関(FAO)の報告書の「世界森林資源評価2010」によると、日本は国土に占める森林率(国土面積に占める森林面積の割合)が約69%(※先進国のなかではフィンランドの約73%に次ぐ第2位)にもなる、自然の豊かな国であるという。
日本国内における国際森林年の具体的な活動としては、林野庁が窓口となる国際森林年国内委員会を設置し、まずは森林を守り育てていくことと、国民一人ひとりが実際にアクションを起こすことの浸透を図る。また、日本の林業の再生・発展を目指し、全国で植樹祭や育樹祭などのイベントを実施していく予定だ。
日本の国際森林年のテーマは「森を歩く~未来に向かって日本の森を活かそう~ ~森林・林業再生元年~」である。林野庁では公式ホームページ内に「情報発信プラットフォーム」を設置し、ここから国際森林年に関する情報を提供している。
昨年(2010年)12月28日に、石川県金沢市で国際生物多様性年のクロージング(閉会)イベントが行われたが、それに合わせて国際森林年とのブリッジング(架け橋)セレモニーも実施されている。
林野庁と社団法人国土緑化推進機構では、「美しい森林(もり)づくり推進国民運動」というものを展開している。そして、その運動をさらに広めるため、2008年12月に「フォレスト・サポーターズ」というものが設立された。フォレスト・サポーターズは、森林の再生や木の伝統文化を守ることを目指す、一般の人やNPO法人、企業などの集まりだ。
フォレスト・サポーターズでは、「森にふれよう」「木をつかおう」「森をささえよう」「森と暮らそう」という4つのアクションを提案している。
Act1「森にふれよう」:森で行われるイベントや活動に参加してみよう。
Act2「木をつかおう」:間伐材などの国産材でつくられた製品をつかってみよう。
Act3「森をささえよう」:募金やボランティアをしたり、ふるさとの森の手入れをして森をつくろう。
Act4「森と暮らそう」:農山村の暮らしに触れたり、森で働いてみよう。
4つのアクションのうち、ひとつでも実行すれば、フォレスト・サポーターズに登録することが可能だ。公式サイト内には、国際森林年のための特設ページが開設されている。
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