アイツもコイツも外来種

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2010年07月16日

カブトムシだって外来種?

外来種とは、初めはその地域にはいなかったが、人間の活動によってほかの地域から持ち込まれた(※あるいは偶然入ってきた)生物のことをいう。

外来種というと、カミツキガメやブラックバス、セアカゴケグモなどの生物をイメージする人も多いだろう。実は、日本国内のある地域にはいなかったが、人間の活動によって日本国内のほかの地域に持ち込まれた生物も外来種(国内外来種)に含まれる。

例えば、かつてカブトムシは本州以南にしかいなかったのだが、人間により北海道に持ち込まれたのだという。このようなカブトムシの場合でも、国内外来種に該当することになる(※そういえば、北海道にゴキブリがいないというのは本当なのだろうか…)。ただし、「人間の活動」によって持ち込まれる場合に限定されるため、風に乗って飛んでくる渡り鳥や植物の種、海流に乗って移動する魚などは外来種に該当しないようだ。なお、初めからその地域に生息しているものは、外来種に対して在来種(在来生物)と呼ばれる。

ブラックバスやアメリカザリガニ、クローバーなど、改めて調べてみると外来種というのは意外に多いことに驚く。なんと、日本には外来種が2,000種以上もいるのだとか…。むしろ、日本の固有種のほうが少ないのではないだろうか。

ここまでの話の流れからすると、トマト・リンゴ・タマネギ・レタスなども外来種ということになるのだが、そう呼ぶ人はまずいないだろう。外来生物法では“明治時代以降に入ってきたもの”を外来生物と定義している(※外来種と外来生物、厳密には意味が異なるようだが、ここでは内容を分かりやすくするため、同じ意味とさせていただく)。

日本に入ってくるパターンとしては、ペットや観賞(※あるいは研究など)の目的、農作物や家畜とする目的というように意図的なケースもあれば、荷物や乗り物などに偶然に紛れ込んで持ち込まれるケースもある。

多くの外来種は、持ち込まれた地域の自然に適応できず、子孫を残すことなく死んでいくのだが、なかにはしぶとく定着・適応するものもいる。

そして、適応している外来種には、生態系のバランスを崩して自然環境に悪影響を与える、毒を持ち人間を刺すなどの危害を加える、農作物を荒らすなどといった厄介な問題を引き起こすものがいる。このような、地域の自然環境に大きな影響を与え、生態系を脅かすものは「侵略的外来種」と呼ばれている。

2005年(平成17年)6月に施行された外来生物法では、このような自然環境や人体、農作物に問題を引き起こすもののなかから「特定外来生物」を指定し、飼養・栽培・保管・運搬・譲渡などの行為を規制している。もちろん、野外に放つことや、植える・蒔く(まく)ことも禁止だ。ちなみに、特定外来生物は生きているものに限定される。

ちなみに、外来生物法では「要注意外来生物」というものも指定している。ニュースになった、甲羅に落書きされたあのミシシッピアカミミガメがこれに該当する。要注意外来生物とは、外来生物法の規制対象となる特定外来生物とは異なり、飼養などの規制が課されることはないが、生態系に悪影響をおよぼす可能性があるため、(個人や事業者などに対して)適切な取り扱いが要求される生物である。要は、特定外来生物よりも危険度は低いが、注意すべきものということか。

もちろん、外来種の全てが悪いヤツというわけではない。現在食べられている野菜や果物のほとんどは、海外から入ってきたものである。犬や猫などに代表されるように、海外から入ってきたペットも多い。ペット関連産業の市場を潤しているなど、経済的な側面も忘れてはならない。

そもそも外来種の側からすれば、人間に無理やり連れてこられたのに、その場所で生きていこうとする活動自体が、生態系のバランスを崩して自然環境に悪影響を与えるといわれるわけだが…。外来種に罪はないとはいえ、放っておくのも問題だ。日本のような島国の場合、被害が大きくなる傾向がある。

環境省では外来種による被害を防ぐために、悪影響をおよぼす恐れのある外来生物をむやみに入れない、飼っている外来生物を野外に捨てない、野外にすでにいる外来生物はほかの地域に広げないという「外来生物被害予防三原則」というものを提唱している。まずは、この三原則を心がけることから始めてはどうだろう。

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