紫外線と環境問題を化学する?

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2009年06月24日

紫外線を知るためにちょっと化学のお勉強

日焼けした肌は健康的に見える……というのは昔の話。太陽の日差しが強くなる時期は、お肌の大敵である紫外線の量が多くなる時期だともいえる。

太陽光線に含まれている紫外線は、シミやシワといった肌のトラブルの原因でもある。場合によっては、目の水晶体を濁らせる白内障や皮膚がんを引き起こすことも。

紫外線は太陽光線であることは周知の事実かと思うが、文字通り「紫の波長よりも外にある不可視光線」なのである。太陽光線には、我々が通常目にすることのできる「可視光線」以外に、目に見えない「赤外線」と「紫外線」とがある。赤外線は熱的作用を及ぼすが、紫外線は化学的作用を及ぼす光線だ。

紫外線は英語に訳すると「Ultraviolet Rays(UV)」となる。「UVって呼ばれるけれど、略するならURじゃないの?」というツッコミはご遠慮いただきたい。紫外線は、波長が100~400㎚(ナノメートル)と可視光線よりも短いという性質がある。さらにいえば、地表に届く光線のなかでは最も波長が短いのである。紫外線は、波長によって次のように分類することができる。

  • UV-C(紫外線C波):オゾン層などの大気層に吸収されるため、ほとんど地表に届くことはない。
  • UV-B(紫外線B波):一部は地表に到達する、皮膚や目に有害な光線。日焼けや皮膚ガンの原因となる。
  • UV-A(紫外線A波):(UV-Bよりも人体への害は少ないといわれているが)長時間浴びることで健康に悪影響を及ぼす(シミやシワの原因)。
光のスペクトル 紫外線 可視光線 赤外線
UV-A,UV-B,UV-Cの違い

実はUV-Aというのは、最も面倒な紫外線だといえる。例えるならば、ボディブローのように内側から徐々に効いてくるようなものだ(ちょっと違うか……)。

この紫外線は、環境問題と密接な関係がある。オゾン層がフロンガスによって破壊され、人体に有害な紫外線が地上に降り注いでいるため問題になっているのだ。オゾン層破壊の詳細については、用語集を参照していただきたい。

フロンは、塩素・炭素・フッ素から形成される化合物だ。燃えないし毒性がないというように使い勝手がいいので、冷蔵庫の冷媒や断熱材の発砲剤など、様々な分野で多く用いられてきた。しかし、フロンは化学的に安定した物質であるため、大気圏までほとんど分解されずに成層圏に到達してしまう。そこで紫外線(UV-C)を浴びることによって、塩素原子(CI)を放出する。この塩素原子がオゾン分子(O3)と結びつくことで、一酸化塩素(CI O)と酸素分子(O2)に分解される。一酸化塩素は酸素原子(O)と結びつき、塩素原子と酸素分子に分解される。このようにして放出された塩素原子は、またオゾン分子と結びつく……というようにして、オゾン層を連鎖反応的に破壊するわけである。

オゾン層破壊のプロセス

それでは、紫外線を防ぐためにはどうすべきなのか。残念ながら、外に出なければ……と考えた人は甘い。そもそも、日常生活において全く外出しないというわけにはいかないだろう。実は、UV-Aは窓ガラスを透過する特徴があるため、建物のなかにいれば安全ともいえないのだ。曇った日でも、薄い雲であれば80%以上もの紫外線が通過するという。

次では、紫外線を防ぐための効果的な対策を述べておこう。

紫外線の強い時間帯の外出を避ける

紫外線の強さは季節や時間によって変わるのだが、5月~8月の時期、11時~14時の間が最も強いといわれている。このような時間の外出は避けるべきなのだが、なかなかそうもいかないのが現実である。そこで、日傘や帽子、日焼け止めなどの利用が重要になる。

ちなみに、気象庁のWebサイトでは紫外線の予測分布図を公表し、紫外線の強さ(弱い~極端に強い)をUVインデックスという指標によって表している。外出の前に、この指標を参考にしてもいいだろう。

日焼け止めを利用する

日焼け止め(サンスクリーン剤)を活用することが必要となる。だが、日焼け止めならどれでもいいというわけではない。選ぶポイントとして、「SPF値」と「PA値」がある。

「SPF(Sun Protection Factor)値」とは、UV-Bの遮断率を数値化したものであり、SPF1であれば効果は20分ほど続くという。SPF2なら40分、SPF3は60分ほど遮断効果(肌が赤くなるのを防ぐ効果)が持続するわけだ。確かに数値が大きくなれば効果も高くなるのだが、SPF30を過ぎると紫外線の遮断率はほとんど変わらなくなるというデータがある。

「PA(Protection grade of UVA)値」とは、UV-Aの防止効果を数値化したものだ。+の数によって三段階に分けられている(かなりアバウトな目安のような気がするが……)。実はこの数値は日本独自の基準らしい。日常であれば+で十分だが、レジャーでは++くらいが適するといわれている。

  • : 効果がある
  • ++ : かなり効果がある
  • +++ : 非常に効果がある

色白の肌ならばSPF値の高めのものを選ぶなど、人や利用場面によってベストな日焼け止めは異なるという点は知っておこう。

日傘や帽子を利用する

日差しの強いときの外出には、日傘や帽子の利用が効果的。帽子は野球帽やサンバイザーなどではなく、つばの幅が広いものを選ぶべきであり、麦わら帽子がオススメだとされている。

ただし、上空から降り注ぐ紫外線を防ぐのには有効だが、地面や壁を反射して届く紫外線を防ぐことは難しい。日傘や帽子だけでなく、日焼け止めを塗ることもしておくべきだ。

サングラスをかける

紫外線の影響により、白内障や光誘発性角膜炎を引き起こす可能性があり、目の老化が促進するといわれている。そこで、紫外線から目を守るのに役立つのがUVカット加工のなされているサングラスや、UVカットレンズが使われているメガネだ。

ただし、顔にフィットしていないものやレンズが小さいものでは、正面からの紫外線だけしか防ぐことができないので注意が必要だ。現在はUVカットコンタクトレンズというのもあるので、UVカット加工のサングラスと併用すれば予防効果がさらに上がるだろう。

なお、色の濃いサングラスの場合、光の量が少なくなるため瞳孔が普段より大きく開いてしまい、逆に紫外線が多く入り込んでしまうこととなるので注意すべきだ。顔にフィットしていないサングラスやUVカットの不十分なレンズも同様だ。

服装に気をつける

基本的には、袖が長く襟のついたものがオススメだ。体を覆う部分が多ければ、それだけ紫外線を防ぐことができるというわけだ。また、紫外線を反射させる白い色の服は避けたほうがいい。濃い色調で網目や織り目が密なもの適しているのだが、暑い夏にそれは酷というもの。熱中症にかかってしまう可能性もある。通気性や吸収性の優れた、着心地のいいものを選ぶのが無難だろう。

ここまで紫外線の害について述べてきたが、実は殺菌作用があったりもするのだ。カーテンを開けて室内に日光を取り込むのがいいとされるのも、このような作用による。しかし、リスクのほうが高いので、しっかり予防のための対策をしておこう。

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